サイエンス&サステイナブルのカテゴリーでは、サイエンスやサステイナビリティ―(SDGs)のこと、海外での研究・取り組み、学術英語などについて書いていこうと思っています。
第一弾の投稿は、日本学術振興会(JSPS) 特別研究員DC1・2(通称:学振)の申請書の書き方についてです。
日本学術振興会(JSPS) 特別研究員(DC1・DC2)の応募締め切りが迫ってきましたね。
これを見ている方はおそらくもう既にDCがなんのことだかわかっていると思いますので、この記事では省略します。(わからないときは後述のまとめサイトを参照)
今回は、筆者がDC2に採用されるまでどのような準備をしたのかを紹介したいと思います。
とりあえず学振のホームページに
まずは、応募しようと少しでも思った人はホームページに行って、応募要項と申請書のひな型をダウンロードしましょう
初めて申請する人はどれくらい大変かなど具体的なイメージが持てないと思いますが、申請書のひな型をダウンロードして目を通すことでイメージが湧きます。
出せる業績はすぐに出す!
業績に論文があるとDC1では圧倒的に有利になると思います。
DC2では、論文がないと採用される難易度が上がると考えていいと思います。
今、執筆中の論文がありましたら出しましょう。コメントが返却された論文がありましたら、すぐにでも回答して受理されるようにしましょう。
もし他の業務(後輩指導など)で忙しかったら指導教官に相談して、融通を効かせてもらうのも手です!学振が通ると研究室としてもプラスになるので。
学振申請に役立ったサイト
今の時代ネットに多くの参考になる情報が落ちています。通るためには何でも使いましょう!
学振についてもかなり有益な情報があったりします。
申請の際に参考にしたサイトを紹介したいと思います。
自分もこれを見て、申請書がだいぶ良くなったと思います。
東工大 大上氏による説明会資料(2018年度)
こちらは一番参考になりました。DCに申請することを決めたら、まず初めにこのサイトを見て概要をつかんでおくことをおすすめします。
科研費.com
次に紹介する科研費ドットコムでは、学振と科研費に関することが詳細にまとめてあります。
学振・海外学振の書き方では、申請書のひとつひとつの項目を具体的に解説しております。
一度執筆したことがある方も、必見です。
個人的に感動したのが、採用・不採用の申請書をダウンロードできることです。分野が大きく違う場合は体裁や図の使い方などを参考にしました。
日本の科学と技術:学振 申請書の書き方と面接対策
こちらも参考になりました。いろんな参考となるリンクがあります。
科研費の書き方:採択率をアップさせる10のコツ
科研費ですが、学振の申請にも共通するコツです。簡潔にまとめてあり分かりやすかったです。
こちらのサイトはJAMSTECのDr. Nakajimaが書いており、海洋生態学などに興味がある方は他の記事を見てみても面白いです。
Coral Reefs The Deep-sea Marine Ecology
過去の申請書を手に入れる
学振に応募したことがある先輩がいましたら、ぜひ申請書を見せてもらえないか聞いてみましょう!
一番参考になります。
周りに採用された人がいない場合は、不採用の申請書でもいいのでもらうといいと思います。
不採用でも評価がA、B、Cとあり、参考になる箇所(話の流れや論理構成、体裁や見た目)があるはずです。
*注意点は、申請書の一部が変わっていることがあります。そこは注意しましょう。
特に注目したいのが、話の流れと体裁です。
学振・科研費の取り方に関する本を読む
ネットだと、どうしても体系的にまとまっていないことや具体的でないことも多いです。
(ほぼボランティアでやっているようなものだから当たり前かもしれませんね)
一方、科研費や学振の本では、具体的な過去の申請書や悪い例といい例の比較などが記載されており、とても分かりやすかったです。
学振申請の際に、購入または借りた本を紹介します。
学振申請書の書き方とコツ
こちらは前述の東工大の大上教授が執筆した本です。スライドには載っていない、過去の申請書が複数あり、参考になりました。
特に参考になったのは初稿から最終的に申請した申請書の比較です。
どこに注意して改善していったのかがよくわかりました。
科研費 採択される3要素:アイデア・業績・見栄え
次に紹介するのが科研費に関する本です。
学振に関する書籍はあまり数がありません。
そこで、大学の図書館で見つけた科研費の申請書に関する本を手に取ってみたところ、(当たり前かもしれませんが)共通して重要そうなポイントがいくつもあり、参考にしました。
科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック
こちらも科研費申請書の本になります。
申請書のぐらい例が豊富にあり、わかりやすかったです。
将来科研費を書くことになるので、ここら辺のものはもし大学になかったら買ってもいいかと思います。
その他:申請の分野
多くのサイトや書籍で体裁や書き方について情報がありますが、実は申請分野も非常に重要です。
念のため、過去に似た研究テーマはどこで採用されているのかみて、分野がマッチしているか確認しましょう。
同じ分野の人が採用されている場合、マッチしているので第一候補としていいでしょう。
ですが、その区分の審査員が分野の第一人者であり、申請書の小さな間違いなどを指摘されるかもしれません。
また、似た申請研究があった場合は比較されて、一方を落とす可能性があると思います。
一方で、ほどほどに分野があっている区分(特に区分名が広い分野をカバーしているもの)があるかと思います。
このような分野だと、似た申請研究は少ないと思います。
また自分の分野の第一人者が審査員にはならないかもしれませんが、一方で申請研究の分野をあまり知らない、あるいは全く知らない方が審査することもあります。
実際、僕が採択された年に、別の区分でほぼ同じ研究が採用されていました。
もちろん実験方法や目的へのアプローチは違いましたが、最終的に目指す研究の目的は同じでした。
そんなわけで、軽視しがちな申請区分ですが、上記のことを踏まえて選びましょう。
まとめ
研究申請書を書くのが初めてだという方も多いのではないでしょうか。
分量も多く、新しいことが多いと思いますが、採用されると研究室の限られた予算から解放されて、自分で自由に研究ができます。
さまざまな情報をまとめましたが、重要なのは過去の例をよく参考にして書くことです
(特に、話しの流れと体裁)
ここで、申請書を書くスキルを身につけると科研費やほかの申請書の執筆の際に能力が かなり 生きてきます。
では、楽しんで書いていきましょう!
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