前回は、パットスタンスについて紹介した。今回は、パットの投げ方の一つであるプッシュパット(Push Putt)について紹介する。(パットの方法には、大きく分けてプッシュパット、スピンパット、スプッシュパットの3種類がある。)
プッシュパットとは
3種類あるパットのうち、ディスクゴルフが競技として始まった初期から使われているフォームである。ディスクの回転を最小限にして、下投げでディスクを下方向から上に押し上げるように投げるパットスタイルである。
プッシュパットで一番有名なリッキー・ワイサキ選手の動画を載せておきます。
主にプッシュパットを投げる代表的な選手
リッキー・ワイサキ(Ricky Wysocki)、ケビン・ジョーンズ(Kevin Jones)、ジェームズ・コンラッド(James Conrad)、ケルビン・ハインバーグ(Calvin Heimburg)、ヘイリー・キング(Hailey King)、カトリーナ・アレン(Catrina Allen)など
※厳密に言うと様々な種類があり、それぞれの選手や状況で投げ方が異なります。プッシュに頼っているプッシュパットはケビン・ジョーンズだと思います。一方、ケルビン・ハインバーグの場合、フォーム自体はプッシュパットですが、最後に手首のスナップを効かせることでスピンパットの良さも兼ね備えたパットスタイルです。
参考に、ケビン・ジョーンズの動画を紹介する。
プッシュパットの投げ方
一般的なプッシュパットは、ディスクの回転を最小限にして、優しくバスケットに入れるようなイメージである。感覚としては、幼い子供と下投げで優しくキャッチボールをするようなイメージに近い。(特にC1内)
基本的なステップとしては、下記のとおりである。
前述の動画も見ながら、読んでもらいたい。
- 自分とゴールの中心の間にディスクを構える
- 腕をほぼ真っ直ぐにしたままディスクを真下にテイクバックする
この際、腕には力を加えずに、下にテイクバックする。 - テイクバックと同時に重心を後ろに移す
- 放物線を描くように、斜め上方向に投げる
イメージとしては、なるべく回転をかけないように手首のスナップを最小限にし、下から上に投げる。子供とキャッチボールで下投げするような感じです。 - 投げた後は、ディスクの放物線の軌道の頂点に向けてフォロースルーする。
*フォロースルー(Follow Through)とは、ディスクを投げた後の主に腕・手の動作を指す。投げた後の動作であるが、この動作が投げる瞬間のディスクの角度などに影響を与えるため非常に重要な動作である。
プッシュパットのメリット
- 投げる際、動く支点が少ないのでショットラインがズレにくい
左右方向には動かないのでバスケットの右や左に外れにくい。
- バスケット中心外に当たっても、チェーンの間をすり抜けること(Spit-out;スピットアウト)が少ない
ディスク自体の勢いが弱いことと、回転があまりかかっていないことから、チェーンの間を通り抜けることが少ない。
- パットを外してもバスケット近くに落ちる
最大のメリットでもあります。プッシュパットは放物線を描くような軌道であるため、パットを外し てもバスケット付近に落ちることが多いです。そのため、二回目のパット(Comebacker)を外しに くいです。
- 坂であってもロールすることが少ない
ディスクの裏が地面と平行着地するため、ロールすることが少ないです。
「一般的にプッシュパットは、後ろにOBがある時や、C1内であるとき、デスパットの時に良いとされています。」
プッシュパットのデメリット
プッシュパットの一般的なデメリットは下記のとおりである。
- 風の影響を受けやすい。
ディスクに回転がかかっていないため、ディスクが風の影響で上下や左右に揺さぶられやすいです。
そのため、投げ出しのディスクの角度(ノーズアングルなど)が重要になります。 - 遠くから投げる際には、高さを出す必要があり、林間で低いラインを出すのが難しい
放物線を描くように投げるため、ある程度高さが必要です。特に、遠い所からのパットは普段よりも
高く投げなければいけないため、高さを確保する必要があります。
(十分勢いをつければ、低い軌道でも投げることはできるが、難易度が高いとされている。) - 飛距離を出しにくいため、C2など長距離のパットは苦手とする。
一般的に、プッシュパットは飛距離を出しにくいためC2などからのパットを入れるためには、力と、
力を入れるタイミングをマスターすること、高く投げる必要があります。
プッシュパットで私が意識していること
普段はスピンパットで投げている私が、プッシュパットで投げる時に意識していることをまとめました。
・手首・腕を曲げずに、バスケットと自分のライン上を動くように投げる
・ボールを下投げでバスケットにトスするイメージで投げる。
・フォロースルー時の手のひらの向きはやや上を向ける。
(ここは、前述のリッキーの動画で手のひらの向きをよく見てもらいたい)
おわりに
以上、プッシュパットを紹介しました。
プッシュパット以外にも、スピンパット、スプッシュパットという投げ方もあります。人によって、どのパットスタイルがしっくりくるかは違ってくると思います。また、それぞれのパットスタイルを状況に応じて使い分けることもできます。ほかのパットスタイルは今後紹介しますので、それぞれ一通り試してみてください。
参考文献
httpss://www.dgputtheads.com/push-putting-technique
httpss://infinitediscs.com/blog/putting-styles-should-you-spin-putt-or-push-putt/
Putting with Ricky Wysocki(httpss://www.youtube.com/watch?v=3JI0E5SBB5U&t=146s)
Spin putt vs push putt by David felberg (httpss://www.youtube.com/watch?v=vGLAUVCV51Y&t=69s)
Disc Golf Putting Clinic by David Feldberg (httpss://vimeo.com/19847946?embedded=true&source=vimeo_logo&owner=6006380)
Infinite disc tips(httpss://infinitediscs.com/blog/tag/putting-tips/)
Overthrow disc golf (httpss://www.youtube.com/watch?v=BUcIM4s-h6Y&list=PLlQa1t1mMeOwAHIN49OOoLlSHj_TpsP2I&index=12&t=1s)
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